犬の寄生虫の種類とは?寄生虫の駆除のために行いたい対策「定期駆虫」について

 

愛犬を飼育するにあたり、気をつけたいのが危害を加えてくる寄生虫です。今回は、犬にとって有害な寄生虫には、具体的にどのような種類があるのか、寄生虫の駆除のために行いたい「定期駆虫」とはどのようなものかを詳しく解説していきます。

 

 

犬の寄生虫の主な種類

犬の寄生虫の主な種類には、「外部寄生虫」と「内部寄生虫」の2種類が挙げられます。

 

・外部寄生虫

ノミやマダニなど、犬の身体の外側に寄生する節足動物のことを外部寄生虫と呼びます。外部寄生虫は、主な症状として痒みをもたらし、犬だけでなく、人や他の動物にも寄生して被害を加えたり、他の病気も媒介する可能性があるため、厄介です。ノミやマダニは、放置しておくと激しい痒みなどの苦痛を愛犬に与えるので、発見した場合は早期の動物病院での治療が必要です。

 

・内部寄生虫

回虫や線虫など、犬の身体の内側に住み着く寄生虫のことを内部寄生虫と言います。内部寄生虫は、犬の腸内などに生息し、下痢、嘔吐、体重低下、発達不良などをもたらします。外部寄生虫と違い、内部寄生虫は寄生されていることに気づきにくいため、犬に異変があった場合は、早急に動物病院で獣医師の診察を受け、原因を特定することが重要となります。

 

 

犬の外部寄生虫

 

 

・ノミ

ノミは春から初秋にかけて活発に活動します。13度〜32度あたりが活動温度であるため、室内では年中生息を続ける可能性があります。ノミが犬の体表に住み着くと、強い痒みをもたらすほか、ノミアレルギー性皮膚炎や貧血、瓜実条虫の感染などを引き起こすこともあるため、要注意となります。ノミは1日に50個近くの卵を産むとされているため、10匹のメスのノミがいた場合、30日後には26万匹以上のノミが発生してしまう計算となり、発見した場合は早期に駆除が必要です。

 

・マダニ

マダニは春から初秋にかけて活動するダニで、痒みの症状をもたらすほか、バベシア症、ライム症などのその他の病気も媒介するため、注意が必要な寄生虫です。未吸血の状態だと2〜3mm程度ですが、吸血すると数倍〜数十倍近く大きくなるケースもあります。マダニが一度吸血を始めると、刺した部位にセメント様物質を注入して固定するため、無理に引き剥がそうとせずに、早急に動物病院へ連れていき、獣医師の手による駆除を行ってもらいましょう。

 

犬の内部寄生虫

 

・フィラリア

フィラリアは、蚊が媒介する内部寄生虫です。蚊に刺された際に、吸血針から犬の体内にフィラリアの幼虫が送り込まれ、6〜7ヶ月間かけて20cmくらいの線のような成虫となり、心臓または肺動脈に長期間寄生します。寄生されると、咳、呼吸困難、血色素尿、食欲不振、お腹の膨らみなどの症状が見られます。無症状で進行することもあるため、定期的な動物病院での検診や予防が大切となります。

 

・瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)

瓜実条虫は、ノミが媒介する内部寄生虫です。サナダムシとも呼ばれ、犬の小腸に寄生し、小腸壁から吸血を行って成長します。成虫になると、15〜50cm程度まで大きくなり、瓜のような形をした節が連なった姿をしており、一つの節の中に8〜15個程度の卵が入っています。瓜実条虫の節の一部が犬の糞に混じり、排泄によって体外に出され、その卵をノミが食べ、そのノミをグルーミングなどで犬が舐め取ることで、感染が拡大します。

 

・回虫(かいちゅう)

犬に寄生する最も一般的な内部寄生虫といえば、回虫です。細くて長い白色の糸状の虫で、犬の腸内に生息し、早ければ生後6週齢あたりから寄生されることもあります。回虫の卵で汚染された土や食物を口にすることで感染し、下痢、毛艶の悪さ、腹部膨満、体重減少などの症状をもたらします。すでに感染している母犬から、子供への授乳などを通しての感染もあります。

 

・鞭虫(べんちゅう)

鞭虫は、5〜7cmほどの大きさの吸血性の内部寄生虫です。鞭虫の卵に汚染された土や食物、水などを口にすることで感染し、下痢、粘血便、貧血などの症状をもたらします。鞭虫は、メス1匹で1日に2,000個もの大量の卵を産むだけでなく、最長7年間は土壌内に生息するため、汚染された環境を清浄化することは大変難しいという厄介な特徴を持っています。なお、子犬は重症化しやすく、死亡する場合もあるため、鞭虫の寄生が疑われる場合は、できる限り早期に原因を特定し、治療を開始することが重要となります。

 

・鉤虫(こうちゅう)

鉤虫とは、糸くずのような体長1〜2mmほどの内部寄生虫で、犬の小腸に寄生し、吸血を行いながら生息を続けます。鉤虫の感染経路には、経口による感染、経皮による感染、胎盤および経乳による感染の3種類が挙げられます。鉤虫の症状に悩まされるのは、主に1歳以下の子犬や若犬となります。主な症状はタール状の下痢や貧血などです。寄生の疑いがある場合は、なるべく早めに獣医師による診察を受けさせるようにしてください。

 

・糞線虫(ふんせんちゅう)

糞線虫とは、体長2〜3mm程度の小さな内部寄生虫です。主に犬の小腸に寄生し、抵抗力の弱い子犬は激しい下痢を引き起こしやすいとされています。糞線虫は、犬の糞便をすぐに片付けずに溜まってしまっているような場所や、不衛生な飼育環境下で増殖する傾向があります。その他、海外から輸入された犬に寄生している例や、タヌキなどの野生動物が生息する地域を犬が散歩することで間接的に感染する例などがあり、注意が必要です。寄生が疑われる場合は、早期に動物病院で診察を受け、治療を開始するのがベストだといえます。

 

 

犬の寄生虫駆除のために行いたい「定期駆虫」とは

 

 

ノミ・マダニなどの外部寄生虫や、フィラリア・小腸内に生息する回虫などの内部寄生虫に対し、定期的な駆除薬の投与によって感染を抑える方法を定期駆虫と呼びます。これらの外部・内部の寄生虫は、ズーノーシス(人獣共通感染症)をもたらすリスクもあるため、そのような危険を避けるためにも、定期駆虫の習慣は非常に重要です。

ペット先進国であるアメリカでは、CDC(疾病予防管理センター)やAAVP(寄生虫学協会)と呼ばれる公的機関が、ペットへの定期的な駆除薬の投与を推奨しています。ヨーロッパでも、エスカップ(ESCCAP)と呼ばれる団体が、アメリカのCDCと同様に、定期駆虫を推奨しています。

 

 

犬が外部・内部の寄生虫に感染している疑いがある場合には、早期に動物病院で獣医師の診断を受けることが大切

 

今回は、犬にとって有害な寄生虫には、具体的にどのような種類があるのか、寄生虫の駆除のために行いたい「定期駆虫」とはどのようなものかを詳しく解説してまいりました。

犬だけでなく、人にも被害をもたらす可能性のある寄生虫は早期に駆除するに限ります。原因を早めに特定するためにも、動物病院にて獣医師の定期的な健康診断を受けることは、とても重要なことです。動物病院では、定期駆虫を行ってもらえるだけでなく、その他の病気の可能性なども診断してもらうことができます。

 

犬に感染する寄生虫は、内部寄生虫・外部寄生虫など、非常に様々な種類があります。今回ご紹介した寄生虫もそのうちの一部です。それぞれの寄生虫で駆除方法や治療方法は異なるため、なるべく早い段階で寄生虫の感染を発見し、それぞれの症例に合った治療を、適切な形で獣医師から受ける必要があることを、常に意識するようにしてください。

Ranking人気記事