犬の下痢の原因とは?下痢の種類や症状の見分け方・治療方法を解説

 

愛犬の大便が下痢の状態になっている際に、動物病院に連れていくべきか、判断に迷うことがあるのではないでしょうか。今回は、犬の下痢の原因とは何か、下痢の種類、症状の見分け方、治療方法などを詳しく解説していきます。

 

犬が下痢を起こす原因とは

 

犬の下痢は以下のような原因で引き起こされることがあります。

 

・ストレス

ペットホテルなどの慣れない環境に身を置いたり、長期間にわたって散歩に連れ出してもらえなかったりするなど、犬がストレスを溜めると下痢になるケースがあります。1〜2日程度で回復することが多いものの、長期化する場合や嘔吐を伴う場合には動物病院に連れていきましょう。

 

・ウイルス

コロナウイルス、パルボウイルス、犬ジステンパーウイルスなどが原因となり、犬が下痢になることがあります。ワクチンを打つことで予防可能なウイルスもあります。高齢の犬や、免疫が弱い子犬などは重症化するケースもあるので注意してください。

 

・細菌

大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、クロストリジウムなどの細菌が原因となり、犬が下痢になることがあります。腸内細菌のバランスが崩れたり、腸内に毒素が溜まったりすると、細菌が大量増殖して下痢の症状を引き起こします。重症化すると発熱、脱水、血便などの症状が出てしまうため、早めの受診が必要です。

 

・寄生虫

土などを介して感染する鞭虫(べんちゅう)や鉤虫(こうちゅう)、母犬から子犬に感染しやすい回虫、ペットショップなどでの感染例が多く見られるトリコモナス、ジアルジア、コクシジウム、蛙やトカゲなどを捕食することで感染するマンソン裂頭条虫などの寄生虫が原因となり、下痢になることがあります。動物病院で受診する際に大便を持参すると、診断する際の手がかりになります。

 

・異物の誤飲や誤食

おもちゃなどの異物や、人間が飲む薬やサプリメントなどを誤飲・誤食してしまった場合、下痢になることがあります。嘔吐の症状も同時に出ることが多く、誤飲・誤食してしまった内容によっては重症化する可能性もあるので、早急に動物病院へ連れていきましょう。

 

・その他

その他、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓などの病気や、腫瘍、副腎皮質機能低下症、子宮蓄膿症といった病気が原因となり、下痢になるケースがあります。症状が悪化すると血便などに至ることもあるため、早めの受診が必要です。

 

 

通院が必要となる犬の下痢の見分け方

 

 

犬が下痢の症状になった場合は、取り急ぎ2〜3日は様子を見ましょう。軽度の症状である場合には、時間の経過とともに回復していくケースが多いです。

ただし、以下のような症状が見られる場合には、なるべく早く動物病院に連れていく必要があります。

 

  •  血便の症状がある
  •  2〜3日経っても下痢の症状が改善されない
  •  嘔吐の症状も併発している
  •  元気がなく、終日ぐったりとしている
  •  大便が黒色便となって異常に黒い
  •  体重が減少している
  •  ゼリー状の粘液便が出ている

 

これらの症状が見られると、ウイルス、細菌、寄生虫などの感染や、異物の誤飲・誤食、胃腸炎、膵炎、腫瘍などが下痢の原因となっている可能性が考えられます。これらが原因となっている場合には急速に重症化するケースもあるため、早急に動物病院へ連れていかねばなりません。

 

なお、動物病院へ連れていく際には、診察の予約を取る時に犬の大便のサンプルを持ってくるように指示されることが多いため、あらかじめ用意しておくようにしましょう。

 

高齢のシニア犬、子犬、免疫の下がっている犬の場合には、症状が急変して重症化するケースも見られます。そのため、2〜3日様子を見るのではなく、下痢の症状が出たらなるべく早く通院を検討した方が良いです。

 

 

犬の下痢は人間や他の犬にもうつる?

 

 

寄生虫を原因とする犬の下痢は、人間にうつることもあるので注意が必要です。このような人間と犬に共通して症状が見られる病気は、人獣共通感染症(ズーノーシス)と呼ばれています。

 

寄生虫の卵や成虫が入っている大便が口に入ったり、傷口から体内に寄生虫が侵入したりすることで発症します。予防のためにも、下痢の大便には飼い主がなるべく直接触れないようにすることが重要です。

 

犬の下痢は、他の犬にうつることもあります。寄生虫を原因とする下痢や、ウイルスを原因とする下痢は、多頭飼育の場合には特に蔓延しやすいので注意しなければなりません。

 

散歩をしている道の途中で、落ちている下痢の大便を犬が嗅いで、鼻先に大便が少量ついて舐めとってしまうことにより、感染する危険性もあります。基本的に、犬の下痢の大便を発見したら、とにかく愛犬を近付かせないようにすることが重要です。

 

 

犬の下痢の治療方法

 

犬の下痢が見られた場合には、どのような対処をすべきかをお伝えしていきます。

 

・犬の下痢について、家庭での対処方法

成犬や高齢のシニア犬の場合は、下痢の症状が見られたら腸を休ませるためにも絶食させるようにしましょう。下痢の症状が出ているときは、腸内の働きが活発になっていることから、食事を摂らせると下痢が続いてしまう可能性があります。

 

ただし、子犬は少量の食事を複数回に分けて摂らせるようにしてください。子犬は成犬に比べると体力がないため、絶食させると低血糖となるリスクがあります。

 

また、動物病院で受診させるために、いつ頃から下痢が始まったのか、大便の状態や色合いなどはどのようなものか、下痢になる前に食事や環境の変化などはあったか、などの情報を整理しておきましょう。

 

通院にあたっては、下痢の大便のサンプルがあると寄生虫がいないかチェックしてもらうことができるため、診察予約の際に確認の上で持参すると良いでしょう。

 

下痢の状態は写真でも獣医師に状態を確認してもらうことができるので、持参が難しければ写真を撮るようにしてください。

 

・犬の下痢について、動物病院での治療方法

動物病院では、犬の下痢の原因に合わせて、以下のように治療方法を選択します。

 

• ストレスが原因の場合

ストレスが原因で下痢になっている場合は、ストレスの原因を特定し、排除のための指導を行います。環境によるストレスは改善が難しいケースもあるため、対症療法を実施しながら体力回復を待つことになります。

 

• 食事が原因の場合

食事が原因で下痢になっている場合は、食事内容の見直しを行い、体質に合わせた食事指導を受けます。

 

• 異物の誤飲・誤食が原因の場合

異物の誤飲・誤食が原因で下痢になっている場合は、外科治療が必要になることがあります。

 

• ウイルスが原因の場合

ウイルスが原因で下痢になっている場合は、対症療法を実施して体力の回復を待ちつつ、ウイルスが体外に完全に排出されるまで治療を続けます。

 

• 寄生虫が原因の場合

寄生虫が原因で下痢になっている場合は、寄生虫の駆除薬を服用させて治療を行います。

 

• その他の疾病が原因の場合

慢性腸症によって下痢になっている場合は、抗生物質およびステロイドを投与しつつ、食事内容の改善を行います。腫瘍によって下痢になっているならば、外科手術または抗がん剤治療を実施します。膵外分泌不全による下痢であれば、消化酵素の投与を行って治療します。

 

 

犬が下痢の症状になったら、放置せずに様子を見て動物病院で診察を

 

今回は、犬の下痢の原因とは何か、下痢の種類、症状の見分け方、治療方法などをお伝えしてまいりました。犬が下痢になった場合には、そのまま放置することなく様子を見て、症状が長引いたり、悪化したりした際にはなるべく早い段階で動物病院で診察を受けるようにしましょう。

Ranking人気記事