猫の病気とは?猫がかかりやすい病気と対策・治療方法などをご紹介

 

猫と一緒に生活をする場合、猫のかかりやすい病気を把握しておくことは、非常に重要なことです。今回は、猫がかかりやすい病気をまとめてご紹介します。万が一、猫が病気になってしまった際に、どのような対策・治療方法があるか、しっかりと把握しておきましょう。

 

 

猫がかかりやすい病気の年齢別まとめ

 

 

ここでは、猫がかかりやすい病気の年齢別まとめをお伝えしていきます。

 

・0歳

赤ちゃん猫の場合、下痢、結膜炎、外耳炎、嘔吐、膀胱炎などの症状が出やすいです。体力が未熟であるため、放置すると重篤化する可能性も高いので、症状が見られた際にはなるべく早く動物病院で獣医師の診断を受けましょう。

 

・1〜6歳

膀胱炎、嘔吐、結膜炎、下痢、皮膚炎などの症状が出やすいとされています。特に、猫は泌尿器系の病気になりやすいと言われているため、膀胱炎には気をつけてください。

 

・7〜9歳

シニアと呼ばれる世代となる手前になると、膀胱炎、嘔吐、結膜炎の他、腎臓病や外耳炎などの病気も出やすくなると言われています。

 

・10〜12歳

10歳以上の猫は、一般的にシニア(老猫)と呼ばれます。この時期になると、嘔吐、下痢、胃腸炎の他、慢性腎臓病などの病気にもかかりやすくなるため、要注意です。

 

・13歳〜

13歳以上となると、かなり高齢となるため、嘔吐、膀胱炎の他、腎不全、慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症などの病気にかかりやすくなります。

 

 

猫がかかりやすい病気・対策・治療方法まとめ

 

 

ここでは、猫が特にかかりやすい病気と、対策・治療方法についてお伝えしていきます。

 

・感染症

猫は感染症にかかりやすく、その種類も様々です。主な感染症の種類としては、以下があります。

 

– 上部気道炎

上部気道炎は、いわゆる猫風邪と呼ばれる病気で、細菌・ウイルス・クラミジアなどが原因となって発症します。主な症状としては、鼻水・くしゃみ・鼻づまりなどの他、結膜炎・目ヤニ・涙目・まぶたの腫れなどがあり、子猫に特にみられやすい症状です。

治療方法としては、動物病院にて、抗生剤・抗ウイルス剤、インターフェロンなどを投与する内科治療を受けることが挙げられます。放置すると長引くこともあるため、早めに動物病院で治療を受けることが重要です。ワクチンで予防できる上部気道炎もあります。

 

– 猫パルボウイルス感染症

猫の感染症の代表的な病気のひとつです。猫伝染性腸炎、猫汎白血球減少症とも呼ばれ、発熱、下痢、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。重篤な急性腸炎を起こす可能性もあるため、注意が必要です。

治療方法としては、抗生剤、点滴、インターフェロンなどを投与する内科治療があります。子猫のうちからワクチン接種を受けることで、予防することが可能です。

 

– 猫伝染性腹膜炎(FIP)

FIPウイルスは、以前から国内で広く蔓延している、病原性が弱いコロナウイルスの突然変異種だと言われています。

1歳未満の猫にみられやすい症状で、数日〜数ヶ月で死に至る可能性もあるため、危険な感染症です。主な症状としては、発熱、食欲不振、黄疸、腹水・胸水が溜まるなどです。

治療方法としては、ステロイド剤、点滴、利尿剤による内科治療があるものの、有効な治療方法はなく、発症のメカニズムもよくわかっていません。対策方法としては、なるべく他の猫との接触を避け、室内飼育を徹底することが重要です。

 

– 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

野外で飼育されている猫に多くみられる病気です。感染すると、発熱、貧血、リンパ腫、白血病、歯肉口内炎などを発症し、重篤な症状の場合は死に至る可能性もある、注意が必要な感染症となっています。

治療方法としては、抗ウイルス薬、インターフェロンの投与などが挙げられますが、ワクチン接種、他の猫との接触をさせない、室内飼育の徹底などの予防が最も重要です。

 

– 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)

猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)は、猫エイズとも呼ばれており、野外で生活する猫は3割前後も感染しているとされている病気です。室内飼育の猫と比べると、感染率は20倍高く、オスはメスよりも2倍以上、感染している割合が大きいとされます。

主な症状としては、キャリア期は無症状であるものの、発症すると、発熱、下痢、リンパ節種の肥大などがみられます。その他、体重の減少、貧血、歯肉口内炎、上部気道炎など、様々な症状を併発します。

治療方法としては、抗ウイルス薬、インターフェロンの投与などが挙げられますが、そもそも罹患しないように、野良猫との接触を避け、室内飼育を徹底することが重要です。

 

・猫下部尿路疾患

尿路感染症、尿石症、特発性膀胱炎など、膀胱または尿道では発症する猫の病気の総称です。猫は泌尿器系の病気になりやすい傾向があるので、注意が必要です。症状としては、血尿、頻尿、決まった場所以外での排尿、失禁などが挙げられます。オス猫は特に結石が詰まりやすく、尿が出ない症状が続くと重症化する可能性もあります。

治療方法としては、軽症の場合は注射および内服薬での治療となります。結石が尿道に詰まってしまった場合には、カテーテルを使用した尿道の治療が必要です。重篤化している場合には、陰茎切除が必要となる場合もあります。再発する可能性も高いため、治療については食事療法・尿検査などを継続的に行う根気が必要です。

 

・腎臓病

腎臓病はシニア(老猫)にみられる代表的な病気です。7歳程度から発病する確率が上がり、15歳以上で3割以上が罹患するとされています。症状としては、嘔吐、多飲多尿、体重減少、食欲不振などが挙げられます。

治療方法については、食事療法、輸液、降圧剤や吸着剤などの内服治療があります。腎臓病は症状がわかりにくく、飼い主の気づかないうちに症状が進行する場合が多いため、7歳程度になったら定期検診を受けることをおすすめします。

 

・歯肉炎・歯肉口内炎

猫は歯肉口内炎にかかりやすいとされており、6〜7%が罹患するとされています。原因としては、細菌・ウイルスの口腔内の感染、免疫反応異常などが挙げられますが、詳しい発症の原因はわかっていません。

主な症状としては、よだれを頻繁に垂らす、食欲不振、体重減少、口を気にして引っ掻く、餌を食べる時やあくびの際に痛そうにする、などがあります。

治療方法は、抗生剤、免疫抑制剤、ステロイド剤、インターフェロンの投与による内科治療と、抜歯による外科治療が挙げられます。抜歯は臼歯などの主要な歯を複数抜かねばならないため、治療に関しては猫の体力も必要となります。

 

・甲状腺機能亢進症

8歳以上のシニアに近づいた猫にみられやすい病気で、3〜5%の猫が罹患するとされています。甲状腺ホルモンを過剰分泌する良性腫瘍が原因とされており、主な症状としては、嘔吐、下痢、食欲不振、体重減少、多飲多尿などがあります。

治療方法としては、食事療法、抗甲状腺剤の内服による内科療法、甲状腺摘出の外科療法が挙げられます。血液検査で判明することが多いため、7歳程度になったら定期検診を受けることが重要です。

 

 

猫がかかりやすい病気を把握し、動物病院での診断と定期検診をしっかりと受けることが重要

 

今回は、猫がかかりやすい病気をについて、その種類と、猫が病気になってしまった際に、どのような対策・治療方法があるかを詳しくお伝えしてまいりました。

猫は何らかの病気に罹患していても、症状がわかりにくいケースもあるため、異常がみられた場合には放置せずに動物病院に連れて行くこと、定期検診を受けることを習慣づけるのが大切であると言えます。

監修者情報

MSDアニマルヘルス株式会社 コンパニオンアニマル事業部 テクニカルサービス
獣医師 釜田 尚彦
東京大学農学部獣医学科卒

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