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ノミとマダニの違いとは何か?犬猫や人への寄生に要注意!

犬や猫と共に暮らすご家族の方々が最も気を付けるべき寄生虫の一つとしてノミやマダニが挙げられます。ノミとマダニは犬猫など伴侶動物だけでなく、人にも被害を及ぼす危険性があり、注意が必要な寄生虫です。今回は、そんなノミとマダニの違いとは何かを詳しくみていきたいと思います。

 

 

ノミとダニの具体的な違いとは?

ここからは内容毎にそれぞれの違いについてご説明します。

 

 

・ノミの分類と形態について

 

一般的にノミと呼ばれるノミ類にはいくつか種類が存在します。ノミ目に属し、伴侶動物で問題となる種としてイヌノミ(Ctenocephalides canis)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、ヒトノミ(Pulex irritans)などが存在します。現在日本において犬猫で最もよく見られるのはネコノミです。
ノミの成虫は扁平で翅はなく、体表には寄生した動物の毛の間を移動しやすくする剛毛があります。歩脚とよばれる脚がよく発達しており長距離の跳躍にも適しています。
イヌノミ、ネコノミともに雌は雄より体が大きく、雌で1.6~2.0mm程の大きさです。
卵は0.3~0.5mmで白色の卵円形をしており、幼虫はウジ状で体長は4~10mmに達します。

 

 

・マダニの分類と形態について

 

まずダニ類には大型のマダニ類(tick)とそれ以外の小型のダニ(mite)が存在します。つまり簡単に言ってしまえば、マダニとは大型のダニのことです。
そんなマダニ類にもさらに細かな分類があり、特に日本の伴侶動物で問題となる種としてマダニ科のマダニ属(Ixodes)、チマダニ属(Haemaphysalis)、コイタマダニ属(Rhipicephalus)などが存在します。マダニ類は世界各地に分布しており、地域により問題となる種は様々です。
マダニの成虫は吸血する前で3mmを超える大きさがあり、吸血して満腹になると10~20mmもの大きさになります。また、マダニ科は外皮が固く背板とよばれる外骨格を持つのが特徴です。

 

 

ノミとマダニの生活環

 

・ノミ

 

ノミは雌雄ともに吸血します。イヌノミ、ネコノミともに犬や猫だけでなく人やネズミ、鳥など様々な動物に寄生します。吸血後24時間で産卵し、一日に20~50個の卵を生み落とします。卵は1~10日以内に孵化し、幼虫は毛やフケなどの有機物や成虫の糞を餌として1~2週間で蛹になります。蛹は最適環境であれば最短1週間で羽化し成虫となります。しかしながら蛹のまま1年近く生存することも可能です。
このノミのライフサイクルは通常で2ヶ月ですが、最短だと12日、最長では180日と季節や環境により大きく異なってきます。

 

 

・マダニ

 

マダニは卵、幼ダニ、若ダニ、成ダニの4つの発育期があり、卵以外のすべての発育期において数日~数週間かけて吸血し満腹状態となります。日本に存在するマダニは例外を除きすべてが発育期ごとに異なる動物に寄生し吸血しては離脱を繰り返します。
マダニは小動物から大動物、鳥類、そして人間と様々な動物に宿主として寄生します。寄生後、皮膚を咬み48時間程かけてセメント様物質を分泌することで口を皮膚に固定します。そして皮下に血液のプールを作り効率よく一気に吸血します。成虫は吸血すると約1週間~10日間で満腹状態となり落下し、2000~3000個の卵塊を産みます。

 

 

ノミとマダニの繁殖時期

 

 

・ノミ

 

ノミは高温多湿を好むため、ピークシーズンは梅雨から夏といわれています。しかしながら気温が13℃以上あれば発育するため、寒い冬でも室内では繁殖を繰り返すことができます。また、目にみえているノミはおおよそ5%ほどで残りの95%は卵、幼虫、蛹の状態で周囲に潜んでいます。そのため数匹のノミだけでも放置しておくと一カ月もすれば数十万匹の卵や幼虫へと繁殖しているといわれています。

 

 

・マダニ

 

マダニは気温20〜30度で繁殖しやすく、25度が最も適した温度です。春~夏にかけて活発になっている成ダニ達が卵を産むと、その卵は秋~冬にかけて孵ります。そのため、マダニの生息数は秋~冬のはじめに最も増加します。また、日本には冬でも活動が活発な種類のマダニが全国的に生息しているため、一年中いつでもマダニの活動がみられます。

 

 

ノミやマダニの刺咬により生じる犬猫の症状

 

 

・ノミ

 

イヌノミとネコノミでは、刺咬あるいは吸血されることで、刺激やその際の唾液分泌による激しい痒みに襲われ、丘疹やフケ、脱毛が生じることもあります。痒みにより皮膚を引っ掻く、舐める、咬むといった行動をおこすことで二次的な細菌感染とそれに伴う皮膚の損傷をきたすこともあります。
また、ノミアレルギーによるアレルギー性皮膚炎の発症が問題となることが多いです。他にもノミが内部寄生虫や感染症を伝播することがあります。

 

 

・マダニ

 

マダニは様々な部位に寄生しますが、特に耳・胸部・わきや内股・お尻の周り・足裏など毛が比較的少ない部位での寄生が多くみられます。
寄生されると犬猫ともに、マダニの吸血とその際の唾液分泌によって激しい痒みに襲われ皮膚炎が生じます。痒みにより皮膚を引っ掻く、舐める、咬むといった行動をおこすことで二次的な細菌感染とそれに伴う皮膚の損傷をきたすこともあります。他にもアレルギーの発症や吸血による貧血を起こすこともあり、これら症状が酷い時にはそれが原因となり体力損耗や体重減少に陥ります。
また、日本での報告はまだありませんが、マダニが吸血中に毒素を含む唾液を分泌することによって起こるダニ麻痺症では死亡する例も稀ではありません。
直接的な被害だけではなく、マダニは多くの病原体を媒介し、犬と猫のみならずヒトにも命に関わる病気に罹る危険性があるため要注意です。

 

 

ノミとマダニによって引き起こされる犬猫の病気

 

 

・ノミ

 

– ノミアレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎による激しい痒みに襲われ、丘疹やフケ、脱毛が生じます。アレルギーの程度により症状の重症度は異なり、治療が行われなかった場合、犬では病変部位の重度皮膚炎、色素沈着、苔癬化(象の皮膚のように固くなる症状)へと進行します。腹部~内股と腰部~尻尾やお尻まわりにみられることが多いです。猫では粟粒くらいの丘疹やカサブタが複数みられる粟粒性皮膚炎や対称性の脱毛などが特徴的で、首から背中、腰にかけて生じることが多いです。
一度、ノミのアレルギーになった犬猫はたった1匹のノミとの少しの接触だけでも症状が出る可能性があるため、徹底したノミの駆除対策が必要となります。

 

 

– 瓜実条虫(サナダムシ)

ノミの体内に瓜実条虫が寄生している場合、ノミをグルーミングによって食べてしまった犬猫の小腸内に瓜実条虫が寄生し、体内で発育します。
軽度の感染では無症状で、肛門から出た瓜実条虫の一部(片節)がお尻周りに付着し、痒みでお尻を擦り付ける行動や脱毛がみられます。ご家族が糞便や肛門周囲に付いた片節に気付いて発見されることが多いです。
重度の感染では痩せていき、嘔吐、下痢、過剰な食欲、出血性腸炎やてんかん様発作の報告もされています。
人でも気づかないうちにノミが体内に入り感染することがあります。

 

 

– その他

縮小条虫の中間宿主にもなるだけでなく、ペスト菌や発疹熱リケッチアを伝播します。

 

 

・マダニ

 

 

– 犬バベシア症(ピロプラズマ症)

バベシアは、マダニによって媒介される赤血球内に寄生する原虫です。犬ではBabesia canisとBabesia gibsoniが病原体となり、症状としては発熱・貧血・黄疸・脾腫などがみられます。また、診断時には原虫の検出が困難な場合もあります。病原性が高いと溶結性貧血に加えて低血圧性ショックを引き起こし、死亡することもあるため、感染しないように対策することが重要となります。

 

 

– SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

マダニが媒介する多くの感染症のなかで、近年話題になっているウイルス感染症です。犬や猫、人をはじめ様々な哺乳類が感染対象です。
犬と猫で症状・病態が異なり、犬では軽症例が多いのに対し猫では重症例が多く、猫での致死率は50~60%ととても高いです。しかしながら現在のところ適切な薬は無く、治療方法は対症療法のみです。
日本でも2013年に初めて人での死亡例が報告されました。全国でも35都道府県でSFTSを保有したマダニが確認されており、人への被害は2021年7月までに全国で641症例報告があり、うち80例が死亡しています。
人がSFTSウイルスに感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状が多くの症例で認められ、頭痛、筋肉痛、意識障害などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こすこともあります。

 

 

– その他

日本紅斑熱、ライム病、Q熱、エールリヒア症、野兎病など多くの重要な人獣共通感染症をヒトにも動物にも媒介します。

 

 

ご家族が実施すべき環境における対策方法

 

 

・肌の露出を控える

 

肌の露出が多いと、ノミやマダニの被害を受けやすくなります。そのため、レジャーなどで森の中や山中、河川敷などにいく場合にはなるべく長袖・長ズボンなどを着用して咬まれる事態を避けられるように対策をしましょう。

 

 

・帰宅したらガムテープなどで衣類を綺麗にする

 

お散歩などで外に出ると、帰宅後にはノミやマダニが衣服や靴に付着している可能性があります。そのままにしておくと、家の中で繁殖してしまうので、ガムテープなどを利用して玄関で衣類を綺麗にしてから入室するようにしましょう。

 

 

・部屋の掃除と洗濯を徹底する

 

ノミやマダニが部屋の中に侵入すると、カーペットやソファ、部屋の隅や置いてある衣類などを住処に繁殖を続けてしまう可能性があります。そのため、部屋の掃除と洗濯を徹底することで、繁殖しにくい環境を作ることも大切です。

 

 

・虫除けスプレーを活用する

 

お散歩やアウトドアに出かけたりする際には、ノミやマダニを寄せ付けないように虫除けスプレーを活用することをおすすめします。全く対策をしないままで出かけてしまうと、ご家族自身がノミやマダニの被害に遭う恐れがあるだけでなく、知らないうちに衣類に付着して家の中へ連れ帰ることになるので注意しましょう。

 

 

犬猫にノミやマダニが寄生していたら

 

おうちの犬猫にノミやマダニが寄生しているのを見つけたら、速やかに動物病院へ連れていき、獣医師の判断のもとで駆除に向けた処置や投薬を実施することが重要です。

 

 

・ノミの場合

 

まずは、ノミ駆除に効果がある薬を使用します。薬の形状として、昔だとノミ取り首輪などが使用されてきましたが、現在ではお口から飲むタブレットやおやつタイプの経口薬、背中に滴下するタイプのスポット薬などが主流です。複数感染がみられる場合は追加シャンプーなどで成虫を除去することもあります。
また、室内に住み着いたノミを除去するために環境を整備し、ノミ駆除薬を継続的に投薬し寄生を予防することで、再発を防止することが重要です。
なお、ノミの成虫を見つけた時にノミを潰してしまうと、卵が飛び散ってしまい繁殖の手助けをしてしまう危険があります。ノミを捕まえたら、潰さずに中性洗剤などを入れた水に沈める、粘着テープを利用する等といった方法で駆除を行いましょう。

 

 

・マダニの場合

 

犬猫にマダニが寄生しているのを見つけた場合、ご家族が取ろうとせずに動物病院で適切な対処を受けるようにしましょう。マダニは簡単に取ることができず、無理に引き剥がすと頭部が犬猫の皮膚内に残ってしまいます。そうすると局所的に炎症が生じ、結果的に膿瘍が起こる可能性があるので注意が必要だからです。
併せてノミと同様に動物病院でマダニ駆除に効果がある経口タイプのお薬やスポットタイプのお薬を処方してもらいます。投薬は継続して行うことで、マダニの寄生とマダニ媒介性疾病を防止することができます。お薬を上手く活用し、犬も猫もご家族も健康に過ごせる環境作りを心掛けていきましょう。

 

 

犬猫のノミ・マダニを駆除するならブラベクト®︎

 

今回は、犬猫に寄生するノミやマダニとはどのようなものかを解説し、それに対する対策をお伝えしてまいりました。ノミやマダニは犬猫の健康を大きく損なう危険があるため、早急に駆除と感染予防を実施することが重要です。投薬がしやすく、かつ効果の高いノミ・マダニの駆除薬をお探しの方は、この機会にぜひともブラベクト®︎をお試しください。

 

※ブラベクト®は上記に記載した病気の全てを予防や改善するものではありません。

監修者情報

MSDアニマルヘルス株式会社 コンパニオンアニマル事業部 テクニカルサービス
獣医師 釜田 尚彦
東京大学農学部獣医学科卒

運営者情報

  • MSDアニマルヘルス株式会社
  • 住所:東京都千代田区九段北一丁目13番12号 北の丸スクエア
  • お問い合わせ:msdah.help@gmail.com

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