2020年8月31日
愛犬の爪の切り方とは?爪切りのおすすめの頻度や切り方のコツ・犬が嫌がる・暴れる場合の対処法などをご紹介
飼い犬の爪切りは、愛犬と暮らす飼い主さんにとって、欠かせないケアのひとつだといえるでしょう。猫と違って爪研ぎをしない犬は、爪切りの方法についても事前に知っておく必要があります。
今回は、愛犬の爪の切り方や頻度、猫と犬の爪の違い、嫌がられないおすすめの方法や爪切りのコツ、失敗してしまったときの対処方法などを詳しくお伝えしていきます。
犬の爪切りはなぜ必要?猫の爪との違いとは
目次
・犬の爪と猫の爪の違い
猫の爪は、ある程度の長さまで伸びると、古い爪の層が剥がれるようにして落ちるため、爪研ぎをしていれば手入れをすることができます。しかしながら、犬の爪は人間の爪と同じで、放っておくとどんどん伸びてしまうため、定期的な爪切りが必要となります。
・犬にも猫のように爪研ぎは必要?
犬は猫と違って、爪研ぎはしません。散歩をよくする犬の場合は、爪が地面に当たって削れるため、多少は伸びる速度が遅くなります。ただし、散歩でよく歩くからといって、すべての爪が均等に削れるわけではありません。また、狼爪(ろうそう)と呼ばれる地面に接しない5本目の爪は、散歩をしていても削れないため、4本の爪に加えて、定期的なケアが必要です。
犬の爪の切り方について
・犬の爪切りはギロチンタイプがおすすめ
犬の爪切りには、ハサミタイプとギロチンタイプの2種類が主にありますが、ギロチンタイプがおすすめです。先端についている丸い穴に爪を通して切ることができるため、ハサミタイプと違って安定感があります。初心者でも切る位置を間違えにくいので、おすすめです。
・小さく角を落とすようにして切る
犬の爪の深部には、神経が通っている部位があり、血管も通っています。そのため、間違ってその部分を切ってしまうことがあると、犬が痛みを感じて、以後の爪切りを嫌がってしまいます。そのようなことが起こらないように、最初は小さく角を落とすようにして、少しずつ爪切りを行うようにするのが良いでしょう。一気に深爪をしないように注意してください。
・犬の爪切りの頻度は月に1〜2回程度
犬の爪切りの頻度については、月に1〜2回程度が理想的です。犬の種類、歩き方、散歩の頻度などによっても爪の伸びるスピードは変わりますので、愛犬の爪の伸び方を確認しながら、適切な時期を見定めましょう。爪が伸びてしまうと、爪の中の神経や血管が入っている部分も伸びてしまいます。できる限り、伸びすぎないうちに爪切りを行うようにしてください。
犬の爪切りで嫌がられないおすすめの手順・切り方のコツとは?
・愛犬が暴れないように保定する
犬の爪切りをなるべく嫌がられないようにするコツとして、保定を行う方法が挙げられます。保定とは、犬が暴れたり、嫌がったりしないように、安定した状態で抱きかかえることを意味しています。
一人で犬の爪切りを行うのが難しい場合は、家族や友人などに手伝ってもらい、保定してもらうようにすると良いでしょう。横向きで保定するのか、仰向けで保定するのか、犬によって好き嫌いがありますので、色々と試しながら、安定する姿勢を見つけてください。
・はじめは1本ずつ、なるべく手早く行う
爪切りを初めて行う場合は、あらかじめ爪切り道具の匂いを嗅がせて、愛犬が落ち着くまで気長に待ち、初日は1本分の爪を切れれば成功だと考え、手早く終わらせましょう。もしも嫌がったら、無理に行おうとしないのもポイントです。
可能であれば、爪切りを我慢できたときにはご褒美のおやつなどを用意し、完了したら褒め、「爪切りを我慢すれば、ご褒美がもらえて褒めてもらえる」といったプラスのイメージになるように工夫するのも大事だと言えます。
・しっかりと毛を押さえて爪を出す
毛の長い犬種の場合は、手足の部分にも毛が被さり、爪が見えにくいことがあります。そのため、しっかりと毛を後ろ側に押さえて、爪を出してから切るようにしましょう。爪切りに毛が引っかかる感触を不快に感じて、暴れたり、嫌がったりする犬もいますので、注意が必要です。
・仕上げはできる限り滑らかに
爪を切った後に切りっぱなしにしてしまうと、角が鋭い状態になっている場合があるため、犬が体を掻くときに皮膚を傷つけてしまう可能性があります。また、飼い主やご家族などが引っ掻かれたときに怪我をするリスクもあるので、爪やすりを使って滑らかにする作業を忘れないようにしましょう。
なお、爪やすりはコンパクトなものだと収納はしやすいものの、使いづらい場合があるため、持ち手が付いている大きめのものを用意するのがおすすめです。
・黒い爪の場合の切り方
白い爪の犬の場合は、血管が通っている部分が外側からも透けて見えるため、比較的失敗しづらいです。しかしながら、黒い爪の犬の場合は、血管が通っているデリケートな部位が外側からは見えないので、どこまで爪を切れば良いのかわかりません。
そのため、黒い爪の犬の場合は、まずは小さく爪を切り、断面を確認しながら切り進めるようにしましょう。黒い爪でも、切った後の断面を確認すると、中央の柔らかい膜の部分にまで差し掛かると、灰色になっていて、柔らかく湿った状態になっています。
これ以上、深爪をすると、血管の通っているピンク色の部分まで切ってしまい、犬に痛みを与えてしまうので注意が必要です。ミスしないように、慎重に、小さく爪を切っていくのがポイントです。
犬の爪切りを失敗したときの対処方法
万が一、爪切りに失敗して血が出てきてしまった場合は、コットンやガーゼでしばらく押さえて圧迫止血を行うことで、比較的早く止血することができます。血が出てしまってから慌てないように、爪切りをするときには、事前に清潔なコットンやガーゼを手元に置いておくと安心でしょう。
動物病院では、止血剤を分けてもらうことができる場合もあるので、合わせて用意しておくとより安全です。出血量が多い際には、指で止血剤のパウダーをすくったうえで、出血している爪の断面に10秒程度押し当てれば、止血をすることができます。
止血ができた後も、爪の先端を地面などに擦り付けたり、水で濡らしたりすると出血が再発する場合があります。そのため、出血後しばらくは様子を見るようにしてください。
止血剤のパウダーの代わりに小麦粉や片栗粉を代用する方法もあるものの、あくまでも応急処置であるため、出血が多い場合には動物病院で獣医師の診察を受けるのが賢明です。
犬の爪切りが不安なときは、動物病院で獣医師にお任せしよう
今回は、愛犬の爪の切り方や頻度、猫と犬の爪の違い、嫌がられないおすすめの方法や爪切りのコツ、失敗してしまったときの対処方法などについて、詳しくお伝えしてまいりました。
犬の爪をうまく切る方法は、動物病院で獣医師に相談すれば、詳しく教えてもらうことができます。また、犬が暴れて爪切りを行うことが難しい場合は、獣医師に爪切りを代行してもらえます。自分で飼い主の爪切りを行おうとしてもうまくいかないときには、無理をせずに動物病院に連れていくようにしてください。
また、動物病院では、犬の爪切り以外にも、健康診断を受けたり、寄生虫(ノミ・マダニ)のチェックなどを行ってもらうことができたりするため、定期的な通院を心がけると良いでしょう。
監修者情報
MSDアニマルヘルス株式会社 コンパニオンアニマル事業部 テクニカルサービス
獣医師 釜田 尚彦
東京大学農学部獣医学科卒
運営者情報
- MSDアニマルヘルス株式会社
- 住所:東京都千代田区九段北一丁目13番12号 北の丸スクエア
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