室内飼いなのになぜ猫にノミがつく?知っておきたい効果的な対策とは


 

「うちの猫は室内飼いだから、ノミの駆除や対策は必要ない」と思い込んでいるオーナー様は多いかもしれません。しかし、たとえ室内飼いの猫だったとしても、猫にノミが寄生する可能性は十分にあることをご存知ですか?

ここでは、室内飼いの猫にノミがつく原因や、知っておきたい効果的な駆除・対策の方法についてまとめていきます。

 

 

 

室内飼いなのに猫ノミが寄生する原因とは?

 

 

猫ノミは体長1〜2mm程度と非常に小さく、人間がすぐに目視で気づくのが難しいサイズの吸血性の寄生虫です。そのため、室内飼いの猫であっても、知らないうちに猫ノミが家の中に侵入して、感染してしまうケースがあります。

 

具体的には、以下のような原因が考えられるので十分に注意するようにしましょう。

 

 

家に出入りする人間の衣服や靴などにくっ付いてくる

 

猫ノミは、猫の体表以外にも、人間の衣服や靴などにくっ付いて室内に侵入してくる場合があります。猫ノミのジャンプ力は驚異的であり、光の刺激や、動物が発する二酸化炭素や、体温に反応して、体長の約60倍の距離を移動し、約100倍の高さまで飛び跳ねることができます。そのため、人間の膝下程度であれば簡単にくっ付くことができてしまうのです。たとえ猫を室内飼いしていても、オーナー様を始め、家族・親族・来客などが、猫ノミを外から持ち込んでしまう可能性があることを覚えておきましょう。

 

 

一緒に犬を飼っている場合、犬がノミを持ち込むことがある

 

猫を室内飼いしていても、一緒に飼っている犬を外に散歩へ連れていっている場合には、犬がノミを持ち込んでしまうことがあります。散歩する道路や道にも、ノミの成虫・幼虫・卵などが落ちていることは多々あり、特に、犬はノミが寄生しやすい茂みや草むらなどにも好んで足を踏み入れるので、犬へのノミ・マダニ駆除薬の投与に加え、散歩終わりの犬のケアには十分に注意すべきです。

 

 

ペット可のマンションに入居している場合、他の猫がノミを持ち込む

 

賃貸で猫を飼う場合は、ペット可のマンションに入居することがほとんどでしょう。しかしながら、マンションでは、猫ノミに寄生された猫が近くに住んでいる可能性があり、玄関やベランダ、部屋の隙間などを経由して猫ノミが侵入してくることも考えられます。室内飼いの猫であっても、このような感染経路があることは事前に知っておきましょう。

 

 

他の猫と接触した場合に、ノミがうつることがある

 

最近では、ペットを連れていくことができるカフェなども増えていますが、他の猫と接触した場合には、宿主となっている猫を媒介にして、猫ノミに感染することもあり得ます。他の猫と遊ばせてあげるのは素敵なことですが、猫ノミ感染の危険性があることは忘れず、帰宅後のケアを万全に行うようにしてください。

 

 

 

猫ノミは気温13度以上あれば繁殖可能、

年間を通じて対策が必要

 

 

猫ノミは気温13度以上あれば、十分に繁殖することができる能力を持っています。そのため、猫ノミが一度でも室内飼いの猫がいる住居で繁殖した場合、ノミを完全に駆除するのが難しくなります。猫ノミの繁殖力は強力で、10匹の猫ノミが、わずか30日後には2,000匹の成虫、約9万個の卵、約10万匹以上の幼虫にまで増殖したという記録もあります。

 

猫ノミの具体的な症状としては、激しいかゆみ・発疹・脱毛をもたらす「ノミアレルギー性皮膚炎」などが挙げられます。人間にも被害をもたらすため、厄介な存在です。考えられるその他の症状や危険性などについては、「猫ノミによる皮膚炎などの症状はあなどれない!人間に症状をもたらす可能性もある?」をご参照ください。

 

猫ノミが繁殖しやすくなる春〜夏はもちろんのこと、気温の低い真冬でも、平均して5頭に1頭の猫がノミの被害を受けているという報告もあります。日本の住居は一年中、安定した温度を保っているほか、カーペットや畳の隙間など、ノミが好んで生息できる環境が整っているため、年間を通じた対策が必要不可欠であるといえるでしょう。

 

 

 

猫ノミを室内に持ち込まないための予防や対策とは?

 

 

猫ノミを室内に持ち込まないためにできることは、どのような方法があるのでしょうか。具体的には、以下のような方法が考えられますので、予防や対策を意識して行うようにしてください。

 

 

帰宅したら猫と接触する前に、清潔な服装に着替える

 

前出のとおり、猫ノミは衣服の表面などを好むため、知らないうちに身体に付着させてきてしまうことが考えられます。そのため、帰宅したらまず、清潔な衣服に着替えてから、猫と接するようにしましょう。また、外出後の衣服は室内に長時間放置せず、早めの洗濯・手洗いを忘れずに行うようにしてください。

 

 

玄関などの感染しやすい場所に猫が入らないようにする

 

玄関などは、靴に付着した猫ノミの成虫・幼虫・卵が入り込みやすい場所です。そのため、猫が頻繁に玄関付近を出入りしないように工夫することも大切でしょう。市販のノミ除去剤のスプレーを常備し、外出後の靴などに吹きかけるようにすると予防になります。

 

 

こまめな清掃を行い、市販の駆除薬などを使用する

 

猫ノミは部屋の隅や家具類の隙間、畳、ベッド、ソファーなどを好みます。日常的にこまめな清掃を行い、清潔な環境を保つことがノミの予防・対策になります。また、市販のノミダニ駆除薬(くん煙剤、くん蒸剤など)を使用するのも良いでしょう。

 

 

シャンプーをしてお風呂に入れ、被毛の手入れを入念に行う

 

猫ノミは猫の体表に寄生するため、お風呂でシャンプーをし、ブラッシングを入念に行うことも必要です。猫ノミは水に弱いので、シャンプーを行うことで付着している成虫を駆除することができます。また、ブラッシングを定期的に行っていると、猫ノミの成虫や糞(砂状の小さな黒い粒)を早期に発見することが可能です。猫ノミが愛猫に寄生していることにいち早く気づくためにも、これらの日常的なルーチンは忘れずに行うようにしてください。

 

 

猫ノミに飼い猫が寄生された事例を専門家が解説

 

症例1:目視していなくともノミ駆除対策が重要であることがわかる事例

 

患者情報:6歳 避妊メス ラグドール

生活スタイル:室内猫だがベランダに出ることもあるため、ネットで購入したノミ・マダニ対策用スポット(成分:フィプロニル)を毎月滴下

数年前より皮膚の痒み、脱毛、首からお尻にかけて背側の広い範囲における粟粒性皮膚炎(痂皮・発疹)を繰り返し発症していました。痒みが酷いときには食事や睡眠もまともにとれないこともあったとのことです。

症状や内服薬での治療経過から、アレルギー性皮膚炎と診断。毎回院内ではノミ成虫やノミ糞は確認されなかったものの、症状の発現部位からもノミ由来である可能性が高く、生活環境の改善を獣医師と相談しました。

まずは、室内清掃とベランダに出ないよう活動範囲の制限、ノミ駆除薬の変更の提案を獣医師から受けたとのことです。

しかしながら、「ノミを見たことがない」「価格がネットの方が安い」からと、ご家族の強い希望で駆除薬は変更しませんでした。

清掃と活動範囲の完全室内化を実施しつつ、少しでも緩和に繋がるならとアレルギー対策処方食での食事管理も開始しました。結果としては、再発までの期間が延びつつも、ステロイド剤を必要とする症状の発現は変わらずあったとのことです。

再度、獣医師とご家族の相談のうえ、病院で処方している駆除薬へ変更。変更後からは症状の再発はほとんどないまま、ステロイド剤を使用せず生活することが可能になりました。

その後、一度だけご家族の判断で駆除薬をネット購入品に戻したことにより、症状の再発が確認されています。

これらの経過から、実際に目でノミを確認できない状況下においても、ノミによる健康被害は生じるということが明らかであり、正しい駆除薬の選択と予防の継続が健康を維持するうえで重要です。また、対策を行うことで不要なステロイド剤投与を控えることも可能となります。

 

症例2:猫ノミ由来の瓜実条虫の感染が発生した事例

 

患者情報:1歳 雄 雑種
生活スタイル:基本室内だが、庭~近所までであれば度々外に出ることもある

お尻周りをよく舐め壁にこすりつける行動が増え、愛猫のストレスとなっているため、肛門嚢腺をチェックしてほしいという理由で来院しました。

診断すると、肛門周囲発赤や、脱毛がみられました。肛門嚢腺貯留はみられず、院内で排泄した便中に片節を確認しています。

ご家族にお話を伺うと、以前から度々嘔吐がみられるものの、外にも出ているため、ここ数日における消化器症状の有無は定かでないとのことでした。また、寄生虫予防は思い出したときに年数回行う程度であったとのことです。

そのため、ノミ由来、瓜実条虫の感染による症状として治療を開始しました。瓜実条虫の駆虫と併せて有効性の高いノミ駆除薬の使用開始し、その後は定期的な通院で健康状態を確認しつつ、来院時にノミ駆除薬を投薬することで継続的な管理を実施。生活スタイルを変えずにストレスなく過ごせていることが確認されました。

このように、外に出る機会がある猫においては寄生虫被害のリスクが高まるだけでなく、症状の発現を見落として病気の発見が遅れる可能性があることにも注意が必要です。

家の中だけで生活できるよう環境を整えるのが理想ではありますが、元々外に出ていた猫にとってその生活環境の変化は大きなストレスとなり得ます。こうした場合にはなおさら、継続的なノミ駆除が体の健康を守るために重要です。

外という感染リスクが高い環境に出入りする生活スタイルを考慮する場合には、様々な病気による被害を極力防ぐためにも速効性に優れたノミ・マダニ駆除薬を選択し、定期的な健康診断を行うことが理想的です。

 

症例3:ノミが多数寄生していることに気づかず重症化した事例

 

患者情報:12歳 雌 日本猫
生活スタイル:都内の一軒家住まい、完全室内飼育

こちらの症例では最初に、元気・食欲低下、開口呼吸で来院しました。院内検査の結果、ノミの多数寄生と重度貧血(再生像あり)を確認。ノミ被害による貧血と診断されました。

再生像は見られるものの低酸素状態となるほどの貧血状態に内科管理のみでは手遅れとなる危険性があり、ノミ駆除と緊急輸血を実施し、その後は貧血と一般状態の改善に向け内科管理を行い、3ヶ月かけて薬を使用せずに生活できるところまで回復したとのことです。

こちらの症例では来院時には明らかに大量のノミ成虫とノミ糞が全身に確認できたが、ご家族は指摘するまで気付いておりませんでした。

そのため、体調を崩してしばらくお家で様子を見たが良くならず来院しており、あと少し遅ければ貧血が理由で亡くなっていた恐れもある症例です。

また、こちらのケースでは猫とご家族は一緒の布団で就寝していました。ノミが原因だと分かった後に思い返してみると、最近ご家族自身も虫刺されが増え、皮膚のいたるところに赤い腫れと痒みが生じていたとのことでした。

このように、ノミは猫にも人にも被害を及ぼします。そして、完全室内飼育でも重度の寄生が生じ得ること、明らかな症状が発現していたにも関わらず来院するまで状況に気付けずにいたことは「どんな生活環境下においてもノミの被害は発生し得ることを知らなかったこと」が命を危険にさらした原因といえます。

 

 

 

室内飼いの猫ノミに駆除薬を投与するなら

「ブラベクト®スポット猫用」がおすすめ

 

室内飼いの猫といえども、猫ノミの被害にあってしまう可能性があることは今回の記事でよくおわかりいただけたかと思います。もしも愛猫が猫ノミに感染していることがわかった場合は、放置せずにすぐに動物病院を受診し、猫ノミ駆除薬を処方してもらうことをおすすめします。

 

猫ノミを駆除するためのお薬はいくつか種類がありますが、効果の速効性と持続力を求めるオーナー様におすすめなのが、「ブラベクト®スポット猫用」です。動物病院で処方されるお薬なので、安心して愛猫に投与することができます。

 

「ブラベクト®スポット猫用」はいわゆるスポットタイプのお薬であり、首筋に投与するため、グルーミングによる舐めとりを防ぐことができ、24時間以内に効果を発揮します。さらに、通常のスポットタイプのお薬は効果の持続が1か月程度であるケースが多いですが、「ブラベクト®スポット猫用」は3か月と長いため、1シーズンに一度くらいのペースで投与すれば、効果を年中持続させることが可能です。

 

さらに、有効成分「フルララネル」は猫ノミだけでなく、マダニにも効果を発揮するため、ノミ・マダニ駆除薬として汎用性が高いのも特徴となっています。室内飼いの愛猫が猫ノミに感染してしまった場合には、動物病院に足を運び、「ブラベクト®スポット猫用」の処方を受けてみてはいかがでしょうか。

 

監修者情報

MSDアニマルヘルス株式会社 コンパニオンアニマル事業部 テクニカルサービス
獣医師 釜田 尚彦
東京大学農学部獣医学科卒

運営者情報

  • MSDアニマルヘルス株式会社
  • 住所:東京都千代田区九段北一丁目13番12号 北の丸スクエア
  • お問い合わせ:msdah.help@gmail.com
製品情報(ブラベクト®スポット猫用) | 猫ノミ・猫マダニ対策・駆除なら3か月に1回 | ブラベクト® 猫用

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