2021年7月5日
猫は病院が苦手!猫に動物病院でストレスをかけないための受診方法のコツ
動物病院への通院は、愛猫の健康を維持するために不可欠です。しかし、猫は繊細な動物なので、動物病院が苦手である傾向があります。今回は、そんな猫に動物病院でストレスをかけないための受診方法のコツや、気をつけておきたいことなどを詳しくまとめました。
目次
猫はストレスに弱い動物
大前提として、猫はストレスに弱い動物であることを知っておきましょう。例えば、引っ越し、知らない人の来客、家の周りの騒音、トイレの汚れ、留守番、キャットフードの変化、新しい猫との多頭飼育など、慣れ親しんだ環境に変化が少しでもあると、猫は強いストレスを感じます。
そのような観点から、動物病院への通院も、猫にとってはストレスの要因となります。しかしながら、動物病院に連れて行くことは、猫の健康な生活を維持する上で避けては通れないことです。そのため、飼い主は少しでも猫のストレスを軽減するための受診方法を知っておく必要があると言えるでしょう。
ストレスが原因のかかりやすい病気
猫はストレスを感じやすい動物ですが、ストレスが原因となる病気も存在します。
ストレスを原因とする猫の代表的な病気の症状としては、食欲不振、胃腸炎、嘔吐、下痢、グルーミングのしすぎによる心因性の脱毛、猫ヘルペスウイルス感染症、特発性膀胱炎、猫伝染性腹膜炎などが挙げられます。
これらの病気を予防するためにも、普段から猫にストレスをかけない環境づくりをするとともに、万が一、病気にかかった時も、最低限のストレスで通院・診察・治療を受けることができる動物病院を確保することが非常に大切になります。
動物病院への通院時に猫のストレスを抑える方法
動物病院への通院時に、猫のストレスを少しでも抑えるための方法を以下にまとめました。
・動物病院への通院で使用するキャリーケースに普段から慣れさせておく
動物病院への通院で使用するキャリーケースを、部屋に常に出しておき、普段から出入りしたり、中で眠ったりできるようにしておくと、通院が必要になった時もスムーズにキャリーケースに入ってくれます。
・キャリーケースは入れる際や移動中にストレスがなるべくかからないものを選ぶ
キャリーケースは布製のものを選ぶよりも、プラスチック製のものを選ぶほうが、居住性が高く、運ぶ際にも安定感があって、猫にストレスがかかりにくいです。また、キャリーケースに入れる際にも猫にはストレスがかかるため、上が大きく開くタイプや、上下に分かれるタイプ、扉の取り外しが便利なタイプなどを選ぶと良いでしょう。
・キャリーケースに興味を持ってもらうために、好きなおもちゃを中に入れる
キャリーケースに普段から興味を持ってもらう方法として、猫が好きなおもちゃを常に中に入れておくのも効果的です。移動中のストレスを軽減するためにも、通院中はキャリーケースの中におもちゃを入れ、中で遊んで気分を紛らわせるようにしてあげることも大切です。
・移動中のストレスを和らげるために、おやつを用意する
移動中のストレスを和らげるために、おやつを用意して、通院中に与えるのも良いでしょう。好きなものを食べることで、猫は多少リラックスし、落ち着きを取り戻す可能性があります。ただし、移動中に大量におやつを与えると、揺れに酔ってしまうリスクも考えられるため、なるべく少量で、手短に与えられるおやつを準備しておきましょう。
動物病院での受診時に猫のストレスを軽減させるための方法
動物病院に通院した後、受診するまでに猫にかかるストレスを軽減させるための方法を以下にまとめました。
・事前に予約を行い、待合室で待機しなければならない時間をできる限りなくす
動物病院は事前に予約を行うようにしましょう。予約なしで通院すると、受診待ちによって猫にストレスを与える可能性があります。事前に予約をすることで、他の猫との間接的な接触や、騒音にさらされる可能性のある待合室での待機時間を減らすことができます。.
・かかりつけの動物病院を決め、通院する病院自体をなるべく慣れた環境にする
通院する動物病院を毎回変えると、猫は新しい環境に適応しなければならないため、その都度ストレスを感じることになってしまいます。よほど猫と相性が合わなかったり、獣医師の対応が悪かったりしない限りは、なるべく同じかかりつけの動物病院を決めて、通院する病院自体を猫にとって慣れた環境にすることが大切です。猫も、何度も会う人のことは覚えますから、かかりつけの動物病院の獣医師や看護師とのコミュニケーションに慣れていると、万が一の急な通院の時にも安心できます。
動物病院に入院することになった場合に猫のストレスを軽減する方法
猫が動物病院に入院することになった場合に、猫のストレスをできる限り少なくする方法について、以下にまとめました。
・猫が入院する際には、猫が普段使っている毛布やおもちゃなどを必ず用意する
猫が動物病院に入院する時には、慣れ親しんだ飼い主と過ごす環境から離れ、一定期間の治療を受けなければならないため、強いストレスを感じる恐れがあります。そのため、猫が家で普段から使っている毛布やタオル、おもちゃなどを差し入れし、少しでも慣れ親しんだ環境で感じている匂いなどが入院先でも感じられるように工夫をしてあげることが大切です。
・猫の普段からの生活習慣や習性を、動物病院の獣医師に適切に伝える
ご飯の時間、眠る時間、遊ぶ時間など、猫の普段からの生活習慣や習性を、動物病院の獣医師に適切に伝えることにより、家で過ごしている環境に近い対応をしてもらえるように工夫してもらうこともできるでしょう。普段から食べているキャットフードを動物病院に持っていき、与えられる食事の環境などが変わらないようにすることも重要です。
・スムーズに入院の手続きができるように、かかりつけの動物病院へ普段から相談しておく
猫はストレスに弱く、繊細な動物であるため、いつ病気にかかるかは誰にもわかりません。特に、発育がまだ進んでいない子猫などは、体調が急変することもあるため、油断はできないと言えます。そのため、万が一の時にもスムーズに入院の手続きができるように、かかりつけの動物病院で普段から入院の方法などを聞き、相談を行っておくとよいでしょう。
猫の体調が悪い場合には、通院や受診時にかかるストレスを抑え、早期に動物病院で獣医師の診断を受けましょう
今回は、猫に動物病院でストレスをかけないための受診方法のコツや、気をつけておきたいことなどを詳しくお伝えしてきました。
猫は繊細な動物であるため、基本的には通院が苦手なケースが多いですが、ここでお伝えしたような様々な工夫を行うことにより、動物病院に関連して猫にかかるストレスをなるべく抑えることは可能だと言えます。
重要なことは、先にもお伝えした通り、かかりつけの動物病院を決め、猫に医師や看護師に慣れてもらい、万が一の際にもスムーズに通院・診察・治療・入院などを行うことができることです。
猫のストレス耐性については個体差もありますから、動物病院で受診を受ける際には、愛猫の傾向を獣医師からアドバイスしてもらい、ストレスの軽減対策に努めることが第一です。
監修者情報
MSDアニマルヘルス株式会社 コンパニオンアニマル事業部 テクニカルサービス
獣医師 釜田 尚彦
東京大学農学部獣医学科卒
運営者情報
- MSDアニマルヘルス株式会社
- 住所:東京都千代田区九段北一丁目13番12号 北の丸スクエア
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